研究課題
挑戦的萌芽研究
化学発光タンパク質を用いたライブセルイメージングは、励起光を必要としないため、励起光による光毒性の影響を除外することが可能である。また、近年発展してきた、光によるタンパク質機能の制御技術である、オプトジェネティクスとの併用も容易である。しかしながら、化学発光観察では照明光学系が存在しないため、励起光を用いる蛍光観察法では可能な、照明方法を工夫することによる3次元断層像の取得を行うことができない。細胞は3次元構造物であり、化学発光観察においても3次元像を取ることができれば、化学発光観察においてもより鮮明なサブ細胞構造を観察することが可能であり、大きな利点となる。そこで、本研究では、細胞を用いた化学発光観察において、3次元断層像を取得することが可能な光学顕微鏡システムの開発を目的としている。本年度は、3次元化学発光観察を行うための顕微鏡システムの検討を中心に行った。対物レンズには球面収差があり、レンズを通る光の位置によって焦点位置が異なる。そのため、1点で焦点を結ぶことができず、像劣化の主な原因となることが知られている。本年度、球面収差を用いることで、レンズを通る特定の光のみを取り出せば、特定の焦点位置のみの光を取り出すことが可能であることが原理的に可能であることを確認した。しかし、像を形成するためには直接光と回折光を重ねあわせる必要があるが、この方法では、回折光のみを取り出すため直接光を合成する必要があることを確認した。
3: やや遅れている
球面収差を利用した3次元断層像の取得が遅れている。
3次元断層観察を行うための方法として、球面収差を利用した方法が考えられる。最近の高開口数を持つ対物レンズには、球面収差を補正する為の補正環が備わっている。そこで、この補正環を操作することにより、逆に球面収差量を大きくさせることで、3次元断層像を行うことを試みる。
平成24年度購入予定であったカメラの購入を取りやめ、消耗品費としたため。特注の光学部品や治具を開発することを計画しており、そのための物品費用として利用する。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
ACS Chem Neurosci.
巻: 4 ページ: 969-972
10.1021/cn400012b
Scientific Reports
巻: 3:2629 ページ: 1-7
10.1038/srep02629.