• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

ミクロオートファジーによる新規エンドサイトーシス経路の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25650066
研究機関大阪大学

研究代表者

和田 洋  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50212329)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードオートファジー / エンドサイトーシス / rab7 / t-SNARE / 空腸
研究実績の概要

ミクロオートファジーは細胞基質、あるいは小型オルガネラを大きな液胞に取り込む膜ダイナミクスであり、出芽酵母などでは生理的な環境適応に重要な作用をもつ。哺乳類をはじめとする動物細胞では、しかしながら、ミクロオートファジーの実態、意義など、ほとんど明らかにされていない。私たちがミクロオートファジーを見いだしたマウス初期胚の胚体外上皮組織と、新生マウスの腸管上皮組織は様々な点で共通性を示す。そこで、本研究の最終年度では、マウス空腸上皮組織におけるエンドサイトーシス経路の解析を進めた。空腸上皮組織を構成する細胞は明確な細胞極性をもち、頂端面から活発なエンドサイトーシスを行う。エンドソームマーカーで確認したところ、頂端面の形質膜直下の膜系は初期エンドソームの性質を、核周辺のオルガネラはリソソームの性質をもつことが確認できた。エンドソーム間の膜輸送を担う分子であるsyntaxinの遺伝子破壊マウスでも腸管の細胞形態は変化せず、この組織においてsyntaxinの機能は必須ではないと考えられる。さらに、膜ダイナミクスを担うV-ATPaseのsubunit Gの遺伝生理学的な研究を進めた結果、神経特異的G2の欠損はエンドサイトーシス・ミクロオートファジーに顕著な影響を与えないことを明らかにした。一方、腸上皮で低分子量GTPaseの機能を喪失させたところ、エンドソームの形態が異常となり、ミクロオートファジー経路に異常が生じていることが考えられた。空腸上皮での膜ダイナミクスの異常は新生仔の発育に影響しており、出生後の体重増加が野生型に比べて低下する。糞便に明らかな異常は見られていない。加齢に伴うシステミックな生理との関連に関してさらなる観察によって明かにしていく基礎を築くことが出来た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Membrane dynamics in mammalian embryogenesis: Implication in signal regulation.2016

    • 著者名/発表者名
      Wada, Y., Sun-Wada, G.H., Kawamura, N., and Yasukawa, J.
    • 雑誌名

      Birth defects research Part C, Embryo today

      巻: 108 ページ: 33-44

    • DOI

      10.1002/bdrc.21124

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Role of vacuolar-type proton ATPase in signal transduction.2015

    • 著者名/発表者名
      Sun-Wada, G.H., and Wada, Y.
    • 雑誌名

      Biochim Biophys Acta

      巻: 1847 ページ: 1166-1172

    • DOI

      10.1016/j.bbabio.2015.06.010

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Loss of G2 subunit of vacuolar-type proton transporting ATPase leads to G1 subunit upregulation in the brain.2015

    • 著者名/発表者名
      Kawamura, N., Sun-Wada, G.H., and Wada, Y.
    • 雑誌名

      Scientific reports

      巻: 5 ページ: 14027

    • DOI

      10.1038/srep14027

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi