エンドサイトーシスはシグナルの受容、栄養供給を通じて、様々な生理機能に必須な役割を果たす。初期胚では「ミクロオートファジー」とよばれるユニークなメカニズムでエンドサイトーシスが進行する。初期胚と似た性質をもつ空腸上皮細胞での膜ダイナミクスを明らかにするため、GFP融合エンドソームタンパク質を発現するマウスを作成し、オルガネラダイナミクスを検討した。腸管特異的に膜融合装置を欠損するマウスでは、細胞微細構造が異常になり、出生後、成長の遅延が見られた。増殖因子の受容と応答の制御は疾病に直接間接に関与することから、加齢に伴う腸上皮の増殖など、興味深い研究を展開する基盤を構築することができた。
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