研究課題
小胞体ストレス応答の制御因子であるpXBP1(U)とpATF6(P)は、構造解析が極めて難しいため、これまでまったく構造の報告がない。そこで、本研究ではこららのタンパク質の構造解析を試みた。前年度までの研究によって、pXBP1(U)タンパク質の大量精製の方法を確立した。本年度は、得られたpXBP1(U)タンパク質を用いて結晶化条件を検索したが、構造解析に使用可能な結晶を得ることができなかった。タンパク質の精製度をより向上させることで、よりよい結晶を得ることを目的とし、精製条件の再検討を行った。pXBP1(U)タンパク質はヒスチジンタグを用いて精製しているが、これまでNi-NTAカラムへの吸着率が極めて悪かった。そこで、精製前のpXBP1(U)タンパク質抽出液をEDTA処理することで混在している金属イオンを除去し、EDTAを透析でのぞいてからNi-NTAカラムにかけることで、収量を著しく増大させることに成功した。また、イオン交換カラムやゲル濾過カラムにかけることによって、純度も著しく向上させることができた。更に、低イオン強度では凝集体を作ることがわかったので、高塩濃度にして凝集を防ぐことができるようになった。現在、様々な条件で結晶化を試みているところである。pATF6(L)については、大腸菌を用いた発現系を構築し発現を試みているが、今のところごくわずかな発現量しか得ることができていない。コドンバイアスなども修正し、低温下で発現誘導を試みているが、なかなか収量を上げることができていない。pATF6(L)自体が宿主の大腸菌に毒性を持つ可能性があるため、誘導条件を更に詳細に検討中である。また、S-S結合を形成できる大腸菌や酵母細胞や哺乳類細胞を用いたり、試験管内での翻訳系を利用することも検討している。また、pATF6(L)を分割して発現させることも考えている。
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