研究課題/領域番号 |
25650072
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
本 賢一 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 専任研究員 (90333335)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | BMP / 後期エンドソーム / LPLAT / リパーゼ |
研究概要 |
(1)ビスモノアシルグリセロリン酸(BMP)の生合成にリゾリン脂質アシルトランスフェラーゼ(LPLAT)が関与しているとの仮説に基づき、マウスで報告されている19種類のLPLAT遺伝子すべてを各々CHO-K1細胞で発現させた。トランスフェクション2日後の細胞から脂質を抽出した後、LC/MSを用いてBMPを定量した結果、いずれのサンプルもネガティブコントロールとの比較で優位な差を確認できなかった。その原因を調べた結果、トランスフェクションの効率が本実験目的を達成するには十分でないことが予想され、またその効率をこれ以上に挙げることが困難であった。この問題を解決するためには上記LPLAT遺伝子をそれぞれ強制発現可能な安定細胞株の作製が必要であると考えた。一方、当初の実験計画では19種類のLPLAT遺伝子すべてについてsiRNAを用い各々ノックダウンする予定であったが、上記と同様の理由で良好な結果を得られないことが予想された。この問題を解決するために一部のLPLAT遺伝子についてはshRNAによりノックダウンする安定細胞株の作製を現在試みている(後述参照)。 (2)本実験ではBMP生合成に関わる候補遺伝子を効率よく強制発現あるいは発現抑制する安定細胞株を作製する必要があると考えたが、多数の候補遺伝子について上記細胞株を作製するには多大な時間がかかることから、候補遺伝子の絞り込みを試みた。具体的にはHeLa細胞から初期エンドソームと後期エンドソームを各々単離後、プロテオーム解析を行い、BMPが局在する後期エンドソームに相対的に多く存在する蛋白質を選抜した。その結果、11種類のLPLATが見出され、そのうち5種類が相対的に後期エンドソームに多く存在することが分かった。また、リパーゼについては15種類見出され、そのうち9種類が相対的に後期エンドソームに多く存在することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
培養細胞へのトランスフェクションにより候補遺伝子を解析する方法では良好な実験結果が得られなかった。そのため当初の予定を変更し、候補遺伝子を強制発現、あるいは発現抑制する安定細胞株を作製することにした。
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今後の研究の推進方策 |
BMPの生合成に関わることが予想される候補遺伝子数が多いため、これらを強制発現あるいは発現抑制する安定細胞株を作製するためには多大な時間がかかることが予想された。そこで、初期エンドソームと後期エンドソームについて各々プロテオーム解析を行った。BMPはそのほとんどが後期エンドソームに局在することから、相対的に後期エンドソームに多く存在する酵素がBMP生合成に関わっている可能性が高いと考えられる。今回の解析結果から、5種類のLPLATと9種類のリパーゼが相対的に後期エンドソームに多く存在することが分かったことから、今後は特にこれらに焦点を当て解析を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、培養細胞へのトランスフェクションにより候補遺伝子を解析する予定だったが、この方法では良好な実験結果が得られなかっため実験計画を変更する必要性が生じた。 当初、siRNAを用いて遺伝子の機能解析を行う予定であったが、これを保留とした代わりにBMP生合成に関わる候補遺伝子を効率よく強制発現あるいは発現抑制する安定細胞株を当初の計画より多く作製する必要性が生じた。安定細胞株の作製に際してはTet-onシステムに対応したレンチウイルスベクターを利用する予定であり、これに必要なパッケージングkitやオリゴDNAを当初の計画より多く購入する予定である。
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