研究概要 |
コオロギのシス調節配列改変実験のために,人工ヌクレアーゼZFN, TALENに加えて,より簡便な系であるCRISPR/Casシステムを導入した。同じ遺伝子座(laccase2遺伝子)について生殖系列での変異導入効率を比較したところ,ZFN(47%), TALEN(17%)に対しCRISPR/Casでは77%と顕著に高く,他の遺伝子座でも同様に高効率であった。このため,CRISPR/Casシステムを用いてシス調節配列改変技術を確立を目指すことにした。1,標的配列の欠失: 2種類のガイドRNAを用いてそれらの標的部位間の配列の欠失を試み,標的部位近傍にマイクロホモロジーがあるようにガイドRNAを設定することで,目的の欠失を誘導可能であることが示された。 2,外来配列のノックイン: 相同組換えによるノックイン実験では結果が得られなかったため戦略を変え,非相同末端結合経路によるノックインを試みた。インジェクション当代において外来配列の標的部位への挿入を示す結果が得られた。現在次世代への伝搬効率を調べており,ノックイン系統を効率良く確立するための実験を進めている。
|