研究課題
昨年度までに、コオロギにおけるCRSPR/Casシステムによる遺伝子ノックイン技術の開発に成功しており、遺伝子ネットワーク改変実験への応用に向けてノックイン効率の向上のための実験条件最適化を行った。その結果、ドナーベクター無しのノックアウト実験の場合と異なる、ノックイン実験に適したガイドRNA、Cas9の導入量が明らかになった。その成果をもとに遺伝子発現をモニター可能な系統の作製を進めた。発生初期のパターン形成に関わるeven-skippedやhunchbackなどの遺伝子座を標的として蛍光マーカー遺伝子の発現カセットをノックインし、これらの遺伝子のエンハンサーをトラップすることを試みた。その結果、ノックインには成功したものの、マーカー遺伝子による蛍光発現は検出できなかった。Hox遺伝子座では同様の実験が成功しており、遺伝子座によってドナーベクターに使用するプロモーターの種類や、導入部位を検討する必要があると考えられる。一方で、ノックアウト変異体におけるin situhybridizationなどによる関連発現の発現変化についてデータを得ており、遺伝子ネットワークの変化の影響について論文執筆中である。
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Scientific Reports
巻: 5 ページ: 15885
10.1038/srep15885