細胞競合は、組織において増殖が速く生存能の高い細胞群(勝ち組)が、増殖が遅く細胞死によって排除される細胞群(負け組)に競合し、細胞の増殖、細胞死、分化などが統合的に制御されることより、一定の大きさと機能をもつ組織が形成される現象であり、多細胞生物における普遍的な新概念として注目される。 本研究では、独自に開発した細胞競合関連因子Mycにより誘導される細胞競合モデルを用いて解析を行った。その結果、Mycとp53により協調的に制御される好気的糖代謝の亢進が、細胞競合が生じる際に細胞非自律的に決定づけられる勝ち組、及び負け組それぞれの細胞特性のトリガーとなることを明らかにした。
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