• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

TALENを用いたショウジョウバエにおける遺伝子ノックイン手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25650088
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関熊本大学

研究代表者

中村 輝  熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (90323245)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードショウジョウバエ / TALEN / CRISPR/Cas / 遺伝子ノックアウト / ゲノム編集 / 相同組換え
研究概要

TALENを用いた特異的遺伝子ノックアウトについて, Golden GateシステムによるTALENベクターのコンストラクションをおこない,in vitro transcriptionによってmRNAを作成し,ショウジョウバエ初期胚に顕微注入する方法を検討した。その結果,3'非翻訳領域等を特別な配列に変更することなく,Exo84, CCHa2遺伝子など複数の遺伝子座について遺伝子ノックアウトに成功した。しかし,TALENペアによって機能するものと機能しないものとがあった。残念ながら,現在のところその違いの原因について不明である。しかし,機能するペアの場合にはノックアウトの効率は極めて高く,標的遺伝子座に対して複数のTALENペアを作成することで確実に遺伝子ノックアウトができるようになった。今後,さらに効率が良いとされるTALENシステム(プラチナTALEN等)を導入することにより,ゲノム上の任意の配列に対して標的にDNA切断を誘導する事ができる様になると期待される。
一方,本研究計画申請後に急激に広まってきたCRISPR/Casについても,必要なベクターやハエ系統等を入手して検討を行った。現在までに,遺伝研よりCRISPR/Casシステムのショウジョウバエ系統及びプラスミドを分与して頂き(Kondo & Ueda 2013)検討した結果,ショウジョウバエでもCRISPR/Casシステム機能することを確認した。一包,海外のグループからは,sgRNA発現プラスミドのインジェクションによるより簡便なシステムが報告されており,こちらの実験系についても検討する必要があると思われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H25年度は研究室の移転があったが,研究環境の立ち上げはスムーズに行うことができ,年度初頭より実験を開始することができた。TALENについて,複数の遺伝子座に対して標的遺伝子のノックアウトに成功し,CRISPR/Casについてもショウジョウバエで機能することを確認できた。今後の標的部位への遺伝子ノックインを検討するための準備は整ったと考えられる。このように,研究の進捗は概ね予定通りと考えられる。

今後の研究の推進方策

TALENあるいはCRISPR/Casを用いて標的部位にDNA切断を入れ,その領域に外来DNAを相同組換えにより挿入する遺伝子ノックインについて手法の確立を目指す。第一段階としては,hsp70-mCherry-NLSや3xP6-mCherryカセットのノックインによって,標的遺伝子のnullアリルを効率良く選択する手法を検討する。さらに,第二段階としてGFPを翻訳コドンのフレームをあわせて挿入することや,GAL4を5'非翻訳領域への挿入を効率良く行うことができる手法の確立を目指したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Endophilin B is required for the Drosophila oocyte to endocytose yolk downstream of Oskar2014

    • 著者名/発表者名
      1. Tsai, Y. C., Chang, W., Liou, W., Lee, W. H., Chang, Y. W., Wang, P. Y., Tanaka, T., Nakamura, A. and Pai, L. M.
    • 雑誌名

      Development

      巻: 141 ページ: 563-573

    • DOI

      doi:10.1242/dev.097022

    • 査読あり
  • [学会発表] 生殖細胞形成におけるRNA制御2013

    • 著者名/発表者名
      中村 輝
    • 学会等名
      RNAフロンティアミーティング
    • 発表場所
      ラフォーレ修善寺(静岡県伊豆市)
    • 年月日
      20130903-20130905
    • 招待講演
  • [学会発表] ショウジョウバエの長鎖dsRNAを介したRNAi誘導における小胞型H+/Cl-交換輸送体Clc-7の役割2013

    • 著者名/発表者名
      田中 翼、反町典子,中村 輝,Katja Bruckner
    • 学会等名
      第15回日本RNA学会年会
    • 発表場所
      愛媛県民文化会館・ひめぎんホール(愛知県松山市)
    • 年月日
      20130724-20130726
  • [学会発表] Spatio-temporal regulation of oskar RNA localization and translation by the conserved P-body component, Edc32013

    • 著者名/発表者名
      A, Nakamura
    • 学会等名
      The 10th biennial conference on “Intracellular RNA Localization and Localized Translation”
    • 発表場所
      Niagara-on-the-Lake, Ontario, Canada
    • 年月日
      20130707-20130712
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi