研究課題/領域番号 |
25650091
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
馳澤 盛一郎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40172902)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 培養細胞 / シダ植物 |
研究概要 |
本研究課題は、未だstandard cell lineが確立されていないシダ植物において、細胞学的および分子生物学的な解析を行うのに適した懸濁培養細胞系を確立し、それを基にした細胞分裂様式の比較解析を行うことで、植物が進化の過程で獲得してきた増殖システムに迫ろうとするものである。本研究課題では、シダ植物のリチャードミズワラビ(シダ類)とイヌカタヒバ(小葉類)に着目し、それぞれの植物種において懸濁培養細胞系を作成し、分裂増殖の解析に適したstandard cell lineの確立を目指した。25年度は、cell line(懸濁培養細胞株)の確立を進めた。無菌的に育成したリチャードミズワラビの切片を様々なホルモン濃度のゲランガム培地や寒天培地に移植し、カルスを誘導した。生長のよいカルスをもとに懸濁培養細胞を作成し、LS液体培地の入ったフラスコへの定期的な移植でシェーカーでの振盪培養が安定したところで、現在、なるべく小さな細胞集団(fine culture)を選抜している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のようにリチャードミズワラビの無菌組織よりカルス誘導に成功し、それを液体培地に移植して懸濁培養細胞株のcell lineを確立できた。さらにfine cultureの選抜を進めつつある。このように、本計画に関しては当初計画していた通りの成果が得られたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は、上記のリチャードミズワラビのcell lineを用いて細胞内構造の可視化細胞系や分裂同調培養法などの実験観察系を整える。また、イヌカタヒバについても同様の実験系を確立する。さらに最新のイメージング画像定量解析を行うことで、シダ植物の細胞生物学、分子生物学、進化学などの各方面の研究が飛躍的に進展することが期待される。
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次年度の研究費の使用計画 |
26年度においてかなりの人手と費用が予想され、その実行に要する人件費、試薬等を基金の運用規定に則り次年度使用額とした。 上記のように研究後半の26年度において、その実行に要する人件費、物品費等を投入し、本課題研究のスムーズな遂行を目指すものである。
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