シダ植物に着目して懸濁培養細胞系を作成し、分裂増殖の解析に適したstandard cell lineの確立を目指した。胞子から無菌的に育成したリチャードミズワラビを様々なホルモン濃度のゲランガム培地や寒天培地に移植してカルスを誘導した。生長のよいカルスをもとに懸濁培養細胞を作成し、LS液体培地の振盪培養で安定に成長する細胞株を確立した。これを用いてプロトプラストの単離を行った。プロトプラストはセルラーゼRSおよびペクトリアーゼY23を用いることで単離でき、その後の培養も可能となった。これはシダ植物では稀有な研究成果である。
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