植物は篩管を介してmRNAやタンパク質などの高分子を長距離輸送し、それら高分子のもつ働きによって、離れた器官間で情報伝達を行い、周囲の環境に適応した個体発生を果たしている可能性がある。本研究では、この仮説にアプローチするため、長距離輸送されるmRNAの網羅同定を行った。同定には、モデル植物シロイヌナズナとタバコの異種間接木法と高速シークエンサーを利用し、138分子種の長距離移行性のmRNAを同定し、Plant Cell Physiology誌に公表した。輸送経路の可視化システムも構築し、今後輸送様式の時空間的理解へと繋げ、植物がどのようにして環境応答しているかを考察する。
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