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2015 年度 実績報告書

赤血球の変化は哺乳類の出現に関与するか?

研究課題

研究課題/領域番号 25650106
研究機関東京大学

研究代表者

松田 良一  東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90165837)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード赤血球 / 幹細胞 / 原子間力顕微鏡
研究実績の概要

核の有無による赤血球の物性について原子間力顕微鏡(AEM)を用いて調べた。これまでの予備的研究として、アフリカツメガエル、ニワトリ、マウスの赤血球をスライドグラス上にて半渇きの状態で貼付け、空気中でAFMのプローブを接触させ、その硬さ(ヤング率)と形状を測定した。しかし、半渇き状態の赤血球は必ずしも生体内の赤血球と同じ物性をもつという保証はなく、様々なartifactが生じる危険性がある。そこで、本年は赤血球を生理食塩水内でAFM測定が出来るようにするための条件を調べた。その結果、Shimizuら(2012)によるBiocompatible anchor for membrane(BAM)法が生理食塩水内でも赤血球をガラス表面に固着させ、AFMによる物性測定に適していることが分かった。この方法を用いて、有核のニワトリと無核のマウスの赤血球の細胞中央部(有核赤血球の場合は核の真上)と赤血球の辺縁(無核の赤血球細胞質上)についてヤング率を測定した。
その結果、ニワトリ赤血球中央部は約役70kPa、辺縁部は約1kPaの硬度を示すのに対し、マウスは中央部と辺縁部でそれぞれ約1kPaという値を示した。このt頃は有核赤血球においてその核部分は極めて高い硬度を有し、それが赤血球の変形能にも大きな障害となることが示唆された。それに対し、無核赤血球は硬い核が無いため、柔軟制が高いことで、末梢の最も細い毛細血管を通過する際にも十分な赤血球の変形が起すことが出来ると考えられる。一方、硬い核を有する有核赤血球ではその変形能が大きく低下していることが予想され、末梢の毛細血管は哺乳類のそれよりかなり大きな直径を持つ必要性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Enucleation of red blood cells may correlate to finer capillaries in mammalian tissues.2015

    • 著者名/発表者名
      Ryoichi Matsuda, Ikuo Obataya, Yasuhiro Maeda, Masaki Mori , Ken Varhama and Shoji Takeuchi
    • 学会等名
      Annual meeting of American Society of Cell Biology at San Diego
    • 発表場所
      San Diego (USA)
    • 年月日
      2015-12-12 – 2015-12-17
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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