研究課題
挑戦的萌芽研究
動物にとって、個体の生命を維持する上で摂食行動と情動行動は必要不可欠な本能行動である。申請者は魚類の摂食・情動行動を評価できる実験系を開発・確立して実験を進めたところ、摂食行動と情動行動が密接に関係する可能性を見出した。しかし、魚類も含めて脊椎動物における摂食と情動の制御に働く脳のしくみに関する情報は非常に希薄である。そこで、本研究ではモデル魚種の特徴を活かして、魚類の摂食と情動を制御する神経基盤を明らかにするための研究を展開しつつある。国内外にこの取り組みのような研究は無く、本研究は摂食と情動を制御するニューロンや脳内分子の解明に初めて道を切り開くことができる。平成25年度では、モデル魚種の摂食行動と情動行動に及ぼす神経ペプチドやモノアミン類について検討した。また、摂食行動と情動行動に関係する脳部位を特定するため、c-fos抗体による免疫染色を試みた。その結果、種々の神経ペプチドmRNAが生理状態を反映して増減すること、神経ペプチドのオレキシンAとコレシストキニンが摂食行動のみならず情動行動にも深く関与することを新たに見出した。また、情動行動に及ぼすセロトニンとGABA作動薬及び阻害薬の影響を観察した。c-fos抗体による形態観察では染色特異性の問題から、抗体の吟味に時間を要しており計画当初のとおり進まなかった。
3: やや遅れている
研究計画(1)と(2)について、c-fos抗体の吟味に時間を要しており、計画通りに進まなかったが、他に掲げた点では概ね研究が進展した。
平成26年度では、平成25年度に未完であった点、特にc-fos抗体による中枢部位の特定を急いですすめ、平成26年度の研究計画に沿って実験を進める。
平成25年度購入予定であった試薬類の購入ができなかったため平成26年度に購入し、実験に充てる。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
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