研究課題
動物にとって、摂食行動と情動行動は個体の生命を維持する上で必要不可欠な生得的行動である。申請者らは、モデル魚種の利点を生かて、魚類の摂食と情動を制御する分子・神経基盤の解明を目指した研究に展開してきた。国内外にこの取り組みのような研究は希薄であり、本研究は摂食と情動を制御する脳機構の解明に道を切り開くことができると考えられた。平成26年度では、前年度の成果と問題点を踏まえて、モデル魚種の摂食行動と情動行動に及ぼす神経ペプチドやモノアミン類の影響について精査した。その結果、オレキシンAには摂食亢進作用のみならず、不安様行動を増強する作用を有することを証明した。また、コレシストキニンが摂食抑制作用に加えて情動行動に影響を及ぼすことを突き止めた(論文投稿準備中)。さらにキスペプチンについて検討したところ、生殖制御機能に加えて情動行動に影響を及ぼす可能性が見出された。モノアミン類については、ドーパミンとGABAが摂食行動に影響を与えることが判った(論文投稿準備中)。遺伝子改変動物の行動観察についても研究を進めた結果、ステロイドホルモン受容体遺伝子改変魚種(岡山大より入手)の行動が変化することを定量的に観察した。平成26年度後半より神経ペプチド遺伝子の改変魚種の作出にも取り組み始めた。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (20件) (うち招待講演 7件) 備考 (2件)
Biochem. Biophys. Res. Commun.
巻: 457 ページ: 493-499
10.1016/j.bbrc.2014.12.105.
Gen. Comp. Endocrinol.
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.ygcen.2015.04.009.
Horm. Behav.
巻: 66 ページ: 317-323
10.1016/j.yhbeh.2014.06.004.
Peptides
巻: 59 ページ: 79-82
10.1016/j.peptides.2014.07.013.
Endocrinology
巻: 155 ページ: 536-547
10.1210/en.2013-1642.
巻: 155 ページ: 4868-4880
10.1210/en.2014-1472.
http://toyama-u-bio-kmatsuda.jimdo.com/
http://evaweb.u-toyama.ac.jp/html/363_ja.html