• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

食経験が世代を越えて摂食行動に変化を与えるかの行動生理学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 25650115
研究機関九州大学

研究代表者

谷村 禎一  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20142010)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード食行動 / ショウジョウバエ / 味覚感度 / 後成遺伝学
研究実績の概要

ヒトでは過食によって引き起こされる糖尿病、肥満などの病気が先進国で深刻な問題になっている。食行動に影響を与える様々な環境あるいは遺伝的な要因を研究することが重要である。本研究では、食習慣によって摂食行動や味覚感度がどのように変化するかをモデル生物であるキイロショウジョウバエを用いて調べた。羽化後のハエに高濃度、低濃度の糖を6日間与えた後に、低濃度の糖の摂食率を調べたところ、高濃度の糖を与えたハエでは摂食率が低下していた。両者で、味細胞の糖に対する感度には差がなかった。体内のヘモリンフ中の糖濃度、脂質量を定量比較したところ、高濃度の糖を与えたハエでは脂質量が増加していた。しかし、その次世代のハエでは、糖感度や摂食率の変化は認められなかった。一方、幼虫が成育する培地の糖濃度の違いによって、成虫の糖に対する味覚感度が変化するという初歩データが得られた。このような食習慣による影響は、系統の遺伝的背景に依存する可能性がある。そこで、野生集団に由来する多数の近交系統について、アミノ酸の欠乏時にアミノ酸に対する嗜好がどれだけ高まるかを調べた結果、系統間仁栄養要求性に多様な遺伝的変異があることがわかり、今後はこれらの系統を用いて研究を進めたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Learning the specific quality of taste reinforcement in larval Drosophila2015

    • 著者名/発表者名
      Schleyer, M., Miura, D., Tanimura,T., & Gerber, B.
    • 雑誌名

      eLIFE

      巻: 4 ページ: e04711

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.7554/eLife.04711

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Genetic variation in food choice behaviour of amino acid-deprived Drosophila.2014

    • 著者名/発表者名
      Toshima, N., Hara, C., Scholz, C.J. & Tanimura, T.
    • 雑誌名

      Journal of Insect Physiology

      巻: 69 ページ: 898-894

    • DOI

      10.1016/j.jinsphys.2014.06.019

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Ultradian rhythm unmasked in the PDF clock mutant of Drosophila.2014

    • 著者名/発表者名
      Seki, Y. & Tanimura, T.
    • 雑誌名

      Journal of Biosciences

      巻: 39 ページ: 585-594

    • DOI

      10.1007/s12038-014-9450-z

    • 査読あり / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi