研究実績の概要 |
被子植物・双子葉植物でのシュート頂形成の普遍性を解析した。材料として一見双葉のまま一生を終えるLithops属植物を採用した。この植物は、微粉の種子を蒔くと通常の双子葉植物のように双葉が出現する。その後、胚軸に相当する部分が伸長・肥大するのと子葉に相当する部分が肥大するのみである。その後、この双葉部分が老化すると中から新たな双葉が出現し、昆虫の脱皮のような形で双葉を新生する。このとき、栄養状態によると思われるが、シュート頂が複数出現することもある。 最終年度は以下の2つの課題に集中して取り組んだ。1-このとき、次世代のシュート頂原基は、どこにあるか?2-シュート頂原基に特有の他植物シュート頂特異的発現遺伝子は、存在しないか? 1-走査型電子顕微鏡を用いた観察;シュート頂を探索するために、まず縦断切片を作成した。思っていた接合面にはまるでそれらしい組織は見いだせなかった。下まで辿って、ずっと根に近い部分、おそらく根から茎相当に移動する部分にシュート頂の原基と思われる組織集団を見いだした。横断切片は、場所の特定がかなり難しくシュート頂そのものを同定できていない。 今後、微小なシュート頂を見つけるためには、まず光学顕微鏡レベルの組織化学的観察をすべきであった。 2-定性的PCR解析; シロイヌナズナでシュート頂形成に関連している遺伝子群、ACAULIS1, ACAULIS5, CORYMBOSA1, CORYMBOSA2, 各遺伝子のprimerを用いてPCRした。その結果、現在までのところ、増幅したバンドは得られていない。
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