研究課題
挑戦的萌芽研究
人工的に葉緑体から細胞核へのDNAの移動(葉緑体ゲノム収奪)を測定する葉緑体形質転換体を用いて、ゼニゴケでの移行率を測定したところ、ゼニゴケでは被子植物と比べ移行率が抑制されていることが判明した。このゼニゴケの特長を利用して、葉緑体ゲノム収奪が起こる変異体のスクリーニングを行ったところ、候補株を単離することに成功した。また、この候補株に挿入していたT-DNAの挿入サイトを同定したところ、プロモーター領域であることが判明したため、ジーンターゲティングによるノックアウトの作出を試み、2ラインのノックアウト株を得ることに成功した。
2: おおむね順調に進展している
今年度の目的である順遺伝学による葉緑体ゲノム収奪に関わる遺伝子の探索は達成できたと考えているため。
今後は、相補実験等により確実に葉緑体ゲノム収奪に関わる遺伝子であることを証明する。幸い、ノックアウト株の作出に成功しているので、今後は変異体を利用したオルガネラゲノム挿入領域の同定などを進め、ゲノムのどの領域がオルガネラゲノム(外来ゲノム)を受け入れやすく、また挿入後どのようなプロセスでオルガネラDNAが核ゲノム内に留まることが可能となるのか解析を進めていく予定である。
所属が変更になる可能性があったため、年度をまたぐ可能性のある外部への委託発注を控えたため。次世代シーケンス、メタボローム解析等を外注する予定である。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Genome Biology and Evolution
巻: 6 ページ: 620-628
10.1093/gbe/evu045
巻: 5 ページ: 1836-1848
10.1093/gbe/evt137