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2014 年度 実施状況報告書

ポリバレントモデル植物ゼニゴケによる葉緑体ゲノム収奪の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25650126
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

上田 実  独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (30632541)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード葉緑体ゲノム収奪 / ゼニゴケ
研究実績の概要

昨年度までに、基部陸上植物ゼニゴケの葉緑体形質転換体とT-DNAタギング法を用いて単離した、葉緑体ゲノム収奪を誘起可能な変異体の原因遺伝子の候補遺伝子を同定していた。ただし、T-DNAの挿入サイトがプロモーター領域であったために、ジーンターゲティングによるノックアウトラインの作出を試み2ラインのノックアウトラインの作出に成功した。
ノックアウトラインはともに、葉状体が矮性を示す等の形態的に重篤な表現型を示した上に生殖器の誘導が困難であった。そこで、変異体の表現型が葉緑体ゲノム収奪に関わる遺伝子によるものかを確認するために、遺伝子の転写制御領域を含むゲノム断片を葉状体切断によるアグロバクテリウム形質転換によって導入した。この遺伝子導入により重篤な表現型が野生株の表現型へと回復したことから、ノックアウトラインの作出に成功したことが強く示唆された。
作出した変異体と相補株を用いてゲノム配列と、原因遺伝子がsmall RNAの成熟に関わることが示唆されているためsmall RNAについて次世代シーケンス(NGS)解析を行い、葉緑体ゲノム収奪が発生した領域の同定を進めている。NGSの解析過程において、リファレンスゲノムの整備が必要であることが判明したため、当初の計画通り進めることができていない。現在は、リード数を増やす等の対処によって、de novoシーケンスでも精度の高い解析を行うことで、新規の葉緑体ゲノム断片の挿入位置を同定する作業を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は所属研究室を変更し、現所属がゼニゴケを扱っていない研究室であるため、実験環境の整備に時間を要した。また、NGS解析もサンプル調製等に問題が発生し、予定の期間に解析を終えることができなかった。

今後の研究の推進方策

NGS解析についてはゼニゴケでもデータの蓄積が著しいので、自身のデータだけでなく公共のデータベースも利用して、リファレンスゲノム配列の整備を進める。
相補個体を利用して、変異体と葉緑体ゲノムから細胞核へのDNAの移動を計測可能な葉緑体形質転換体とを交配することで、新規に葉緑体ゲノムが細胞核へ挿入した個体の単離を進める。

次年度使用額が生じた理由

本年度より所属機関を変更したために、セットアップに時間を要した。
また、外注先でもトラブルが発生したためデータ取得に時間を要し、論文の取りまとめに遅れが出てしまった。

次年度使用額の使用計画

データの再現性確認に必要な試薬代と、英文校閲、論文投稿料に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] chlB requirement for chlorophyll biosynthesis under short photoperiod in Marchantia polymorpha L.2014

    • 著者名/発表者名
      Ueda, M., Tanaka, A., Sugimoto, K., Shikanai, T., Nishimura, Y.
    • 雑誌名

      Genome Biology and Evolution

      巻: 6 ページ: 620-8

    • DOI

      10.1093/gbe/evu045

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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