原始生命のタンパク質は現在のような20種類よりも少ない数だったと考えられている。本研究ではタンパク質を構成する20種類のアミノ酸を減らせるかを検証するために、独自に開発したRNA自己複製システムを用いて、20未満のアミノ酸からなる酵素が進化するかを検証した。その結果、RNA複製酵素中に元々8個存在したメチオニンコドンを2つにまで減少させることに成功した。ただし、残りの2つについては別のどのアミノ酸に変異させても十分な活性を示さなかった。したがって、完全に20未満のアミノ酸からなる複製酵素を得るには、もっと異なる環境、例えば完全にメチオニンのない環境など、での進化が必要だと考えられる。
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