申請者らは、ニホンザルが非常に多様なキノコを採食することを明らかにしたが、本研究では、この次の段階の研究として、ニホンザルの糞の存在によって土壌中の真菌相が変化することを実験的に証明することを目的とした。屋久島で30個のサルの糞を採取した。これらの糞を顕微鏡観察すると、胞子が見つかり、また死細胞の染色液で染まらなかったことから、サルが生きた状態で胞子を運んで糞とともに排泄することが確認された。さらに、このサルの糞を、5つの条件を設けて土壌に接種した。接種後、1月、3か月、1年後の土壌を採取した。土壌および糞のDNA解析により、糞の接種で土壌中の真菌相にどのような変化が起きたのかを明らかにする。
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