霊長類のうちのヨザル属で、染色体構成の急速な変化がみられる。この現象に大量の反復配列の存在が関与しているとの仮説を立てた。この仮説は、全体としては、検証に多面的な実験や調査を要するものである。出発点として、仮説の前提となっている条件が成立するかどうかを判定することが必要であり、これを行うことを、本研究の目的とした。該当する反復配列に関して判定すべき事項は、この反復配列の構造の脆弱性、すなわちDNA複製に際して切れやすいか否かである。切れやすいことを示す結果を得て、仮説が成り立つための前提条件が成立するとの結論に至った。
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