研究課題/領域番号 |
25660004
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 豊 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (40345872)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | イネ / RNAサイレンシング |
研究概要 |
RNAサイレンシングとして知られる外来遺伝子防御機構は、トランスポゾンやRNAウィルスなどのゲノム寄生因子に由来する2重鎖RNAにより起動し、これらを不活性化・分解する。一方、植物に遺伝子導入する際にも、トランスジーンアレイや転写のリードスルーなどにより、予期せず2重鎖RNAが作られ、RNAサイレンシングの標的とされ易い。このため、導入遺伝子が高発現しないケースや形質転換体が得られにくい事がしばしばある。そこで、本研究は植物が持つ外来遺伝子防御機構を抑制する事により、高発現かつ高効率に遺伝子組換え植物を作出するシステムを開発し、この問題の解決を目指している。 これまでの研究で、RNAサイレンシングのRNAiによる阻害により、薬剤耐性遺伝子や導入遺伝子が高発現する事が明らかになっていた。具体的には、RNAポリメラーゼIVとRNAポリメラーゼVを構成するタンパク質をコードする遺伝子のノックダウン系統において、薬剤耐性遺伝子や導入遺伝子が高発現が誘導される事が明らかになった。そこで、平成25年度は遺伝子導入効率および薬剤耐性遺伝子高発現の分子的基盤の理解を重点目標にして実験を行った。その結果、RNAポリメラーゼIVとRNAポリメラーゼVを構成するタンパク質をコードする遺伝子のノックダウン系統のカルスにおける、薬剤耐性遺伝子の発現と細胞周期関連遺伝子の発現に相関が見られた物の、細胞の増殖との関連は必ずしもはっきりとは観察出来なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RNAポリメラーゼIVとRNAポリメラーゼVを構成するタンパク質をコードする遺伝子のノックダウン系統において、薬剤耐性遺伝子や導入遺伝子が高発現が誘導される理由について、細胞の増殖と言う観点から解析を行い、細胞周期因子の発現との関連を見いだした。一方で、遺伝子導入効率の定量化については、レポーターの発現が思いのほか低く、導入遺伝子のコンストラクトの作り直しから作業を始める事となった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、遺伝子導入効率の定量化を最優先で行う。レポーター遺伝子の発現を一過的発現実験で確認するなどして、RNAポリメラーゼIVとRNAポリメラーゼVを構成するタンパク質をコードする遺伝子のノックダウン系統において、遺伝子導入効率に変化があるのか否かを明らかにする。また、導入遺伝子の発現量の増大機構については、導入遺伝子のコピー数の確認や、導入遺伝子座辺りの転写量の定量、また導入遺伝子のプロモーター領域におけるDNAのメチル化やヒストン修飾等のエピジェネティックな変化についても解析する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度中に、本研究の成果の一部を論文にまとめる予定があったため、英文校閲代並びに論文投稿料金として使用する予定であった金額を次年度使用する事となった。この理由は、平成25年度の実験で遺伝子導入コンストラクトが思うように機能しなかったため、当初計画通りのデータ取得が間に合わなかったため、予定が遅れてしまった。 平成25年度に投稿予定だった論文を平成26年度中に完成させて投稿する予定である。そのための資金として使用を計画している。
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