1)TALENコンストラクトの導入による標的遺伝子の破壊 昨年度に引き続き、Golden Gate TALEN assemblyにより各標的遺伝子を切断する人工制限酵素(TALEN)を構築し、イネのwild typeカルスへ導入した。次に、これらのカルス由来の再分化個体のDNAを抽出し、対象配列を解析した。その結果、標的遺伝子に数ベースのDNAのデリーションが認められる個体を得ることに成功した。このことは、導入した遺伝子が発現した人工制限酵素がDNAを確かに切断し、最終的に変異を導入できることを示している。
2)上記人工制限酵素の外部投与による変異個体の作出 昨年度までに、アルギニンリッチペプチドとともにGFPタンパク質をイネの根へ投与した結果、GFPは確かに細胞の核内へと到達することを確認している。そこで本年度は、上記1)にてDNAの切断能力が実証された人工制限酵素をイネの根、およびカルスへ外部投与することで、標的DNAへの変異挿入を試みが、今のところ実際に変異が挿入された個体を得ることはできなかった。今後は投与量や投与期間など、詳細に検討しつつ再試験する必要がある。
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