研究課題/領域番号 |
25660006
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安井 康夫 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70293917)
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研究分担者 |
相井 城太郎 新潟薬科大学, 応用生物科学部, 助教 (10391591)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 突然変異育種 / ソバ |
研究概要 |
我々は数千個体からなる突然変異集団中に極低頻度に存在する変異遺伝子をゲノムワイドかつ迅速にスクリーニングする新規手法(MuD screening)を考案した。MuD screening法は表現型スクリーニングの適用がほぼ不可能であったソバをはじめとする他殖性作物およびコムギ等の倍数性作物の突然変異育種を可能とするものである。 これまでに極低頻度で存在する変異の検出法としてTILLING法が知られている。MuD screeningはILLING法と比べて、1) サンプルの3次元プールを利用することにより、わずか30テンプレート(プール)をPCRし、塩基配列を決定するだけで960個体の塩基配列の比較が可能であり、2) 異なるPCR産物を混合し、「多次元プール化」することで一度に数百の遺伝子領域の塩基配列の比較が可能であり、3)特殊な機器を必要とせず、また低価格化が進んでいるNGSを利用するため、汎用性が高く、4)突然変異が生じた領域の同定およびナンセンス(終止)変異を含めたアミノ酸置換の有無まで正確に判断できる等の優位点が挙げられる。 本年度はソバをモデルとしてMuD screening法の実証実験を行うため、2,600個体からなる重イオンビーム照射集団(M2世代)の育成と種子採取行い、3次元プールDNAの作成とPCRを実施し、NGS解析を行った。PCRのターゲットには自家不和合性関連遺伝子であるS-ELF3と3つのGBSS遺伝子座を採用した。S-ELF3の解析にはポジティブコントロールとしてSNPsを有する九州PL4号を採用し、変異検出の感度を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MuD screening法を実践し、コントロール個体のもつ既知のSNPsの検出が可能であることが分かった。さらに重イオンビームによる変異誘導集団(M2世代)の作成とDNA抽出も行った。ほぼ計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は計画通りにGBSS以外の遺伝子もターゲットに用いてPCRを実施し、変異個体の検出を目指す。また変異源としてEMSを利用したM2集団も利用する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は2600個体でのみNGS解析を実施した。このためNGS解析(1回分)を次年度に回すこととした。 新たな集団を対象としたNGS解析に利用する。
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