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2015 年度 実施状況報告書

四型分泌機構を利用した革新的植物ゲノム改変技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 25660007
研究機関広島大学

研究代表者

守口 和基  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (30294523)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード酵母への簡便迅速遺伝子導入法 / 4型分泌系 / VirB/D4-T4SS / RP4-T4SS / pBBR plasmid / ジーンターゲティング法
研究実績の概要

平成27年度は、25年度まで主に用いてきたRP4プラスミドのT4SS(以下RP4-T4SSと記す)を用いて大腸菌から出芽酵母への迅速簡便な遺伝子導入法を確立した。更に導入効率を簡単な薬剤処理により上昇させることが可能であることを明らかにし、実用酵母株に多い遺伝子導入効率の低い株でも迅速導入が可能であることを示した。これらの結果を論文としてまとめ、公表した(PLoS ONE, 2016)。
また、アグロバクテリアのT4SS(以下VirB/D4-T4SSと記す)によるpBBRプラスミド輸送を利用したジーンターゲティング法の開発を目指し,主に以下の3つについて取り組んだ。1)ジーンターゲティング検出用ベクターの作成、2)ジーンターゲティング検出用タバコ改変BY-2株の追加作出と解析、3)ジーンターゲティング用ヘルパープラスミドの追加作成。1)-3)を踏まえ、年度末にターゲティド形質転換体の検出を試みる段階に到達した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

選択肢中の判断が難しいため、「おおむね順調に進展している」とした。判断が難しい理由は、研究過程で見出した派生的な成果をどのように評価するかという点である。RP4-T4SSを用いて大腸菌から出芽酵母への迅速簡便な遺伝子導入法を確立し27年度に論文化できたことは、着実に成果を上げることができたことを示し「挑戦的萌芽」のカテゴリーで考えるならばポジティブに捉えて良いと考える。一方で当初から目指している高等植物のジーンターゲティングはようやく一通りの準備を終え、検出を試み始めたところであり、当初は27年度で終了する研究計画であったことを考慮すると、客観的に見てやや遅れていると判断すべきである。論文の作成過程で追加実験を求められたため、本筋の研究に影響が出たことが、大きな理由として挙げられる。

今後の研究の推進方策

幸いにして研究期間の延長が認められたため、28年度はジーンターゲティングの検出、条件検討に注力したい。これまでのところ検出には成功しておらず、ターゲティング効率は10の-6乗 / BY-2細胞以下だと考えている。効率を上げるための方策として、1)ゲノムサイズの大きいタバコBY-2細胞を用いるのではなく、シロイヌナズナ培養細胞を用いる。2)ターゲティングベクターの植物細胞内でのエピソーム化技術を確立し、植物細胞内でのコピー数を上昇させる。といった方策を考えている。将来的な汎用性の面で考えると2)を優先させる予定である。2)で成功した場合は更にエピソーム化したベクターを除去 (cure) させる技術の開発に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

前年度報告書で記載の通り、承認された研究予算が当初申請した予算の6割強であったため、研究計画に含めていたディープフリーザーの購入費の確保が難しくなり、捻出を試みて25,26年度に支出を抑えてきたが及ばず、結果的に次年度使用額が生じてしまった。27年度は、ほぼ当初予算処置通りの使用額となったため、これが解消されず再び次年度使用額が生じてしまった。

次年度使用額の使用計画

幸いにして研究期間の延長が認められたため、ジーンターゲティングの検出に注力するために用いる予定である。28年度は人員が不足するため、人工遺伝子の作成や遺伝子の塩基配列の確認などの作業を外注・適用可能な範囲でディスポーザブルな器具を使用することにより、研究の推進を確保する。また、昨年度は論文化に注力したため学会発表が行えなかったので、発表を行いたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] A Fast and Practical Yeast Transformation Method Mediated by Escherichia coli Based on a Trans-Kingdom Conjugal Transfer System: Just Mix Two Cultures and Wait One Hour2016

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Moriguchi, Shinji Yamamoto, Yuta Ohmine, Katsunori Suzuki
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 11(2) ページ: e0148989

    • DOI

      doi:10.1371/journal.pone.0148989

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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