本研究は、植物を利用した組換えタンパク質の生産において、植物細胞内での組換えタンパク質の分解を防ぐことによって、その生産量を向上させるための技術開発を行うことを目的とした。各種生物由来のプロテアーゼインヒビターを、モデルタンパク質と植物体内で共発現させた結果、一部のプロテアーゼインヒビターにおいてモデルタンパク質の生産性の向上が確認された。このことから、植物体内における組換えタンパク質の安定性が向上し、その蓄積量を大幅に増加させることが可能であると考えられる。また、植物細胞内における不安定さから生産困難であると考えられる組換えタンパク質の生産が可能になることも期待される。
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