• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

倒伏抵抗性極強の水稲品種開発のための極強稈性の生理機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25660014
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京農工大学

研究代表者

大川 泰一郎  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80213643)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード水稲 / 倒伏抵抗性 / 強稈性 / 皮層繊維組織
研究概要

高収量、高バイオマス水稲品種の開発においては、地上部全体を支える倒伏抵抗性の向上が不可欠である。それには太稈性と強稈質がもたらす強稈性の改良が重要な研究課題となるが、一般に稈を太くすると稈質がもろくなる関係があり、そのことが強稈性の改良を困難にしてきた。本研究では、強稈質に関わる曲げ応力に相違のある品種・系統、太稈で曲げ応力に相違がある極強稈性をもつ品種および準同質遺伝子系統を用いて、強稈性を高める強稈質に関わる皮層繊維組織の構造的特性、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなど細胞壁構成成分に関わる性質を比較検討した。平成25年度は、これまで育成した太稈性で曲げ応力が大きく強稈質の水稲品種リーフスター、稈は細いが曲げ応力の大きいコシヒカリ、太稈性であるが曲げ応力が小さいリーフスターの親の中国117号、タカナリを比較し、稈の構造的性質、皮層繊維組織の発達程度、細胞壁構成成分の密度、強度に関わる質的な性質を比較した。
その結果、リーフスターはタカナリや親の中国117号と比べて、稈の太さには相違がないが、皮層繊維組織が厚く発達し、皮層繊維細胞の細胞壁の2次成長がよく、細胞壁が厚く肥厚する性質をもつことがわかった。一方、曲げ応力の小さいタカナリや中国117号では、皮層繊維組織の2次壁の肥厚が悪く、中が空洞化する細胞が多くみられ、稈の脆さの原因となっていることがわかった。また、セルロース、ヘミセルロース密度が著しく高く、皮層繊維組織のほか、柔組織細胞の細胞壁にも多く集積することが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、極強稈品種の強稈質に関わる皮層繊維組織、細胞壁成分の特性が明らかになったため。

今後の研究の推進方策

H25年度の研究成果をもとにして、 平成26年度は、稈の太さは同じで曲げ応力が異なり稈質が異なる中国117号、タカナリの準同質遺伝子系統を用いて、強稈性を高める生理的要因を解析し、太稈でかつ強稈質となる生理機構を解明する。

次年度の研究費の使用計画

強稈形質の測定試料数が当初予定よりもやや少なく済み、それに伴う試薬等の物品費が少なくなったため。
次年度は強稈形質の測定試料数がやや多くなるため、使用する試薬等の物品費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] コシヒカリ/タカナリ染色体断片置換系統群を用いた水稲の強稈性に関与する量的形質遺伝子座の推定2014

    • 著者名/発表者名
      青羽遼、山本敏央、平沢正、大川泰一郎
    • 学会等名
      日本作物学会第237回講演会
    • 発表場所
      千葉大学(千葉県千葉市)
    • 年月日
      20140329-20140330
  • [学会発表] Estimation of the locus for the traits associated with a strong culm, using reciprocal chromosome segment substitution lines derived from the cross between rice varieties, Koshihikari and Takanari2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Yamamoto, Toshio Yamamoto, Chisato Sugiyama, Tadashi Hirasawa and Taiichiro Ookawa
    • 学会等名
      The 7th Rice Genetics Symposium
    • 発表場所
      Dusit Thani Hotel (Manilla, Philippines)
    • 年月日
      20131105-20131108
  • [学会発表] 水稲の倒伏抵抗性を高める強稈関連形質の遺伝子座の推定―コシヒカリとタカナリの正逆染色体断片置換系統群を用いて―2013

    • 著者名/発表者名
      山本一洋、山本敏央、上田忠正、杉山知里、岡庭侑香、平沢正、大川泰一郎
    • 学会等名
      日本作物学会第236 回講演会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      20130910-20130911

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi