オモダカの節間伸長は土壌やガラスビーズによる覆土に関係なく深水環境で誘導された。一方,ウリカワの深水環境での節間伸長には,土壌やガラスビーズによる覆土が必要であった。これらの植物の深水下での節間伸長を誘導する因子を明らかにするため,水中では組織内のガスの蓄積が起きることから気体因子に着目し研究を行った。気体の植物ホルモンであるエチレンは両種の葉の伸長を促進したが,節間の伸長を促進しなかった。オモダカの節間の伸長の誘導は水中での嫌気環境あるいは低酸素環境が最初のシグナルとなっていること,ウリカワの節間伸長は水中で蓄積する二酸化炭素が促進因子であることが明らかとなった。
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