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2014 年度 実績報告書

収穫後の花卉にみられる花の不完全開花現象における体内時計の関与

研究課題

研究課題/領域番号 25660020
研究機関東京大学

研究代表者

河鰭 実之  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (10234113)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード概日リズム / トルコギキョウ / 開花 / 開閉運動 / フィトクローム / クリプトクロム
研究実績の概要

多くの花は,1日周期の開閉運動を示す.日中に開花し夜間に閉じるリズムは,受粉媒介昆虫の活動時間と関係したもので,日中だけでなく午後から夜にかけて利用される観賞用花卉としては,この開閉リズムは好ましくない.この研究では,開花時期を適切な時期にずらすことを目的として,花の開閉リズムの制御機構を明らかにしようとした.
異なる光リズムにおけるトルコギキョウ‘あずまの紫’の花の開閉の過程を,インターバル撮影により記録して調べた.異なる周期の明暗リズムで,花の開閉は明暗リズムと同調した.花の開閉運動は2段階からなった.第一段階は明期および暗期の開始とともに始まる花の開閉で,第二段階は明期の終わりから12時間後および明期の開始から2-3時間後に始まるゆっくりとした開閉である.第一段階は光による直接的な効果と考えられ,第二段階は概日時計による制御と考えられた.花の開閉リズムの光周期への同調は,24時間および20時間周期の青色光および赤色光の明暗周期においても認められた.光による直接的な開花効果は,青色光の光強度に依存した.
2.トマトの光受容体突然変異体における花の開閉リズム
トマトの花も明暗周期に同調し,明期開始直後の急速な開花と,概日リズムによる開閉とを示した.phyA 突然変異体とcry1突然変異体においては,明期開始直後の急速な開花はみられず,明期開始後しばらくしてからゆるやかに開花した.連続明期においては,野生型は明期開始後1周期のみ開閉したのち開閉リズムは消失したが, phyB1-1,phyB2-1変異を含む突然変異体では約24時間の開閉運動を繰り返した.したがって,PHYAは,開花直後の急速な開花に関与し,PHYBは,光による概日リズムの同調を調節することが推測された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Regulation of Diurnal Rhythms of Flower Opening and Closure by Light Cycles, Wavelength, and Intensity in Eustoma grandiflorum2015

    • 著者名/発表者名
      Bai J, Kawabata S
    • 雑誌名

      The Horticulture Journal

      巻: 84 ページ: 148-155

    • DOI

      10.2503/hortj.MI-019

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Control of the diurnal oscillation of flower opening and closure by phytochromes and cryptochromes in Solanum lycopersicum2015

    • 著者名/発表者名
      Bai J, Kawabata S
    • 学会等名
      園芸学会平成27年度春季大会
    • 発表場所
      千葉大学西千葉キャンパス
    • 年月日
      2015-03-28 – 2015-03-29

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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