昨年度は、CitCCD4の機能解析を行った。カロテノイドを生成する大腸菌を用いて、in vivoにおいてCitCCD4の機能解析を行ったところ、β-クリプトキサンチンまたはゼアキサンチンからβ-シトラウリンを生合成する反応を触媒することが明らかとなった。 平成27年度は、CitCCD4の細胞内における局在性を明らかにした。CitCCD4をGFPとの融合タンパク質として、タバコの葉に一過的に発現させ、共焦点顕微鏡を用いて観察した。その結果、CitCCD4は基質となるβ-クリプトキサンチンやゼアキサンチンなどカロテノイドが含まれるクロロプラスト内に局在することが分かった。 また、カンキツ果実におけるβ-シトラウリンの高含有化を追求する実験を行った。果実にβ-シトラウリンを高含有化する処理条件として、エチレン処理および赤色LEDを用いた光照射処理を行った。CitCCD4の遺伝子発現およびβ-シトラウリン含量は、エチレン処理および赤色LEDによる光照射処理により増大した。特に、エチレン処理により、顕著にCitCCD4の遺伝子発現が誘導され、β-シトラウリンが生成されることが明らかとなった。
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