β-シトラウリンは、カンキツ果実に蓄積するC30の赤色のアポカロテノイド色素である。本研究では、ウンシュウミカンのβ-シトラウリンを蓄積する‘山下紅早生’と蓄積しない‘宮川早生’を比較することにより、β-シトラウリン生合成にCitCCD4が関わることを明らかにした。CitCCD4の遺伝子発現は、‘山下紅早生’のフラベドにおいて顕著に増大した。また、機能解析を行ったところ、CitCCD4はβ-クリプトキサンチンまたはゼアキサンチンを基質とした場合、β-シトラウリンを生成する反応を触媒した。以上の結果から、CitCCD4はβ-シトラウリン生合成を調節する重要な酵素遺伝子であることが示唆された。
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