果樹の成長相制御機構の解明は新たな花成制御法の確立につながる。樹木の栄養生長における相転換に関わるmiR156/miR172が果樹の相転換制御を担っているかどうかを検証した。落葉果樹のウメと常緑果樹のカンキツを材料に、miR156/miR172の発現変動を調査した。その結果、幼木相ではmiR156の発現が多く、miR172の発現が少ない一方、成木相ではその逆のパターンがみられた。さらに、挿し木発根性で評価した樹体内の生育相の違いとmiR156/miR172の発現量にも相関がみられた。以上の結果より、果樹の生長相制御においてmiR156/miR172が何らかの役割を担っていることが示された。
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