研究成果の概要 |
高等植物の自家不和合性は他殖を促進し,自殖を防ぐ重要なメカニズムである.選抜した小数花粉において,nano-LCによる網羅的解析を行ったところ,和合処理で14個,自家不和合処理で27個の関連タンパク質を同定した.また,その比較により自家不和合関連遺伝子を選抜し,リアルタイムPCRによりその発現について解析した.その結果, Cu/Zn SOD, Mn SOD, CATおよびCYP遺伝子の発現は,自家不和合様処理において増加した.ROSはプログラム細胞死(PCD)の鍵となる誘導要因であり,カンキツ花粉管の自家不和合様反応を誘導するROSカスケードは,PCDプロセスの引き金になっている可能性が高い.
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