植物は外的ストレスを受けるとエチレンを生産する.多くの場合,ストレスエチレンは過剰に生産されることから,エチレンの前駆物質ACCを分解するエンドファイトの利用によりその生成を制御することにより,品質と生産性の向上を図ることが可能と考えた. 有機野菜等から分離した3菌株をニンジン種子に接種したところ,葉において香気成分の有意な変動があり,ストレス応答と関連する揮発性成分組成の変動が確認された.なお,リンゴ果実におけるACC分解細菌密度とエチレン発生量との関連は認められず,特異的にエチレン生成量が減少しているリンゴ樹におけるエチレン生成阻害要因はリンゴ樹の制御によるものと推定された.
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