宿主植物認識に貢献する味受容システムを解明する目的で,まずカイコガ幼虫の味受容細胞が発現している味受容体(BmGr)を明らかにすることとした.カイコガ幼虫上唇の上咽頭感覚子の感覚神経細胞壊を分取し,そこからレーザーキャプチャーマイクロダイセクションによって1細胞を採取した.この細胞からはBmGr10を含む6種のBmGrの発現が確認され,イノシトール受容を決定づける組み合わせであろうと考えられた.一方,蛍光カルシウムプローブGCaMP3.0を用いる培養細胞の系とアフリカツメガエル卵母細胞の2電極電圧クランプ法の両者で,BmGr10のリガンドがイノシトールであることを世界で初めて明らかにした.
|