ナミハダニのGABA受容体のクローニングの結果、昆虫類で保存された第二膜貫通領域の置換が明らかになった。本種に対する非拮抗型 GABAアンタゴニストの毒性は昆虫やマダニのそれと大きく異なる。そこで、この受容体のセグメントを昆虫型のものと置換した時、構造的な特異性 が非拮抗型GABAアンタゴニストの感受性とどう相関するかをキメラコンストラクトにて解析した。その結果、ダニ類の構造‐感受性相関は昆虫やマ ダニのものとは異なり、複数の作用点、特にCys-loop領域の重要性を明らかにした。一方、当初は単一の作用点を想定していたため、化合 物のスクリーニングが困難となり、有力な候補は得られなかった。
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