イネにおいてオートファジー可視化実験系を構築すると共に、ATG遺伝子に変異を持つオートファジー欠損変異株を複数同定した。変異体は、花粉不良に起因するシビアな雄性不稔形質を示した。葯組織のオートファジー動態を電子顕微鏡法により解析した結果、花粉への栄養供給組織であるタペート細胞において、減数分裂後期にオートファジーが誘導され、脂肪滴の分解を含めた花粉への栄養供給に重要な役割を担うことが判明した。受精後の種子登熟過程にオートファジーが関与する可能性を検証するため、タペート特異的プロモーターや誘導性プロモーターを用いて、葯で一時的にATG遺伝子を発現させる形質転換体の作出を試みた。
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