研究課題
①平原ハタネズミ(Voleと略称)iPS細胞の開発とマウス・Vole種間キメラ形成の試み:3胚葉分化能は、以前3因子導入により得たVole.iPS-like細胞のSCIDマウス腎被膜下移植により確認したが、本株に染色体異常が確認され、以後の実験への使用を停止した。新たにVole胎児繊維芽細胞にm3O(改善型Oct3)、mSox2、mkfl4、c-Myc、mLin28m、Nanogの6因子を導入しviPS-like細胞株を樹立した。本株はALP(+)、分化マーカーのSSEA-1,-3,-4(+)であり、生殖系列細胞へ貢献する可能性やキメラ個体形成能が期待される。本iPS-like細胞の3胚葉分化能は確認していない。種間キメラ形成は、旧来のv.iPS細胞で行ったが、作製には至っていない。並行してCRISPR/Cas9法によるOXTR (オキシトシン受容体)KO Vole作製を開始、大きな前進が得られた(②参照)。②相同組み替えを利用した、OXTR KO v.iPS細胞とOXTR遺伝子欠損Voleの樹立等に必要なOXTR KOベクター作成とOXTR KO vole作製の実施:米国ハタネズミ研究Consortiumが公開したVole全ゲノムDNA塩基配列からv.OXTR遺伝子塩基配列を得た。OXTR遺伝子破壊Vole作製はCRISPR/Cas9システムにより行う事とし、別に樹立した不死化Vole繊維芽細胞のOXTR遺伝子破壊に取り組み、これを確認した。次に、キメラを経ず直接Vole受精卵にCRISPR/Cas9法を適用、現在まで2匹のOXTR KO候補産仔を得たが、OXTR遺伝子の破壊確認には至っていない。CRISPR/Cas9実験を優先し、Dmrt(-/-)マウスに依るVole精子形成実験は中断している。
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Neuropsychopharmacology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Psychopharmacology
巻: 231 ページ: 2097-2105
10.1007/s00213-013-3356-6