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2013 年度 実施状況報告書

代謝工学による高等植物の代謝デザインと有用物質生産

研究課題

研究課題/領域番号 25660084
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

平井 優美  独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (90415274)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード数理モデル / 代謝 / 高等植物 / メタボローム
研究概要

本研究は、微生物発酵等で行われてきた代謝工学の理論を高等植物に導入し、合理的な代謝改変を行って短期間に目的とする作物を開発することを最終目標とする。微生物などの単細胞生物で、代謝物数の少ない小さい代謝系を対象に用いられてきたフラックスバランス解析(FBA)やバイオケミカルシステム理論(BST)を、高等植物のゲノムスケールの代謝系に適用し、グルコシノレートなどの健康機能成分の生合成経路のボトルネックや不要な経路を予測して実験的に検証することを目的としている。
平成25年度は、相対定量値として取得されるメタボロームデータを用いて代謝を数理モデル化するために必要な理論の構築を行い、モデル植物シロイヌナズナの代謝経路を対象としてBSTおよびFBAによって数理モデルを構築した。また、シロイヌナズナに代謝攪乱を与えたのち、代謝産物量の経時変化を示す時系列メタボロームデータを取得した。得られた時系列データを用いて、数理モデル中のパラメーターを決定し、さらにボトルネック予測などのシステム解析を行った。現状では、メタボロームデータの性質や植物代謝の特性に基づく検討課題がある。また、最終的にはゲノムスケールの解析を目指しているものの、現時点では対象とできる代謝の範囲が限られているなどの課題がある。そのため、現在も数理モデルの精度を上げるための検討を続けているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度は、安定同位体標識化合物を用いた代謝フラックス解析をおこなうことも予定していたが、研究室のメンバーに変更があったことにより、実験系を一部セットアップした段階で進捗が止まっている。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、進捗の遅れていた代謝フラックス解析を行うことを計画している。また当初は、メタボローム分析のためのオルガネラ分画法を開発してオルガネラごとのデータ取得を計画していたが、研究を進めるうちに、代謝産物量の絶対定量値の取得が我々の手法による数理モデル化にとって重要であることが分かってきたため、絶対定量値に準ずるメタボロームデータを取得するための技術改良に注力する計画に変更する。

次年度の研究費の使用計画

物品費の端数の調整を特段行わなかったため、1,992円の次年度使用額が生じた。
物品費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Estimation of kinetic parameters in an S-system equation model for a metabolic reaction system using the Newton-Raphson method.2014

    • 著者名/発表者名
      Iwata M, Sriyudthsak K, Hirai MY, Shiraishi F
    • 雑誌名

      Math. Biosci.

      巻: 248 ページ: 11-21

    • DOI

      10.1016/j.mbs.2013.11.002.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] BST-loglem: Parameter and Network Estimations Based on BST Modeling Using LOESS, Granger Causality and Levenberg-Marquardt Method2013

    • 著者名/発表者名
      Sriyudthsak K, Shiraishi F, Hirai MY
    • 雑誌名

      TSB2013 Conference Proceedings

      巻: - ページ: 94-98

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SS-mPMG and SS-GA: tools for finding pathways and dynamic simulation of metabolic networks.2013

    • 著者名/発表者名
      Katsuragi T, Ono N, Yasumoto K, Altaf-Ul-Amin M, Hirai MY, Sriyudthsak K, Sawada Y, Yamashita Y, Chiba Y, Onouchi H, Fujiwara T, Naito S, Shiraishi F, Kanaya S.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol.

      巻: 54 ページ: 728-739

    • DOI

      10.1093/pcp/pct052.

    • 査読あり
  • [学会発表] A simple method for constructing a mathematical model to predict metabolic behaviors2013

    • 著者名/発表者名
      Kansuporn SRIYUDTHSAK, Michio IWATA, Masami Yokota HIRAI, Fumihide SHIRAISHI
    • 学会等名
      日本バイオインフォマティクス学会2013年年会(JSBi)
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20131029-20131031
  • [学会発表] メタボロームデータを用いた代謝の数理モデリング

    • 著者名/発表者名
      平井 優美
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会 ワークショップ:トランスオミクスへ向けた定量生物学
    • 発表場所
      神戸
    • 招待講演
  • [学会発表] メタボロミクスによる植物科学研究―農作物への展開―

    • 著者名/発表者名
      平井 優美
    • 学会等名
      2013植物科学シンポジウム:持続可能資源の開発に向けた植物科学
    • 発表場所
      東京
    • 招待講演
  • [学会発表] グルコシノレート生合成を制御 するMYB転写因子の機能解析

    • 著者名/発表者名
      平井 優美、李 一蒙、荒木 良一、澤田 有司、西澤 治、斉藤 和季、小川 俊也
    • 学会等名
      第31回植物細胞分子生物学会年会
    • 発表場所
      札幌
  • [学会発表] 代謝産物量の経時変化のデータを用いた代謝の数理モデリング手法の開発

    • 著者名/発表者名
      シユタサ カンスポーン、 澤田 有司、千葉 由佳子、山下 由衣、岩田 通夫、尾之内 均、内藤 哲、白石 文秀、平井 優美
    • 学会等名
      植物学会第77回大会
    • 発表場所
      札幌
  • [学会発表] A new technique for constructing a large-scale kinetic model to comprehensively understand metabolic regulatory mechanisms

    • 著者名/発表者名
      Kansuporn SRIYUDTHSAK, Yuji Sawada, Yukako Chiba, Yui Yamashita, Shigehiko Kanaya, Hitoshi Onouchi, Toru Fujiwara, Satoshi Naito, Fumihide Shiraishi, Masami Yokota Hirai
    • 学会等名
      第55回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      富山

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公開日: 2015-05-28  

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