研究課題
アラレマイシン生産菌Streptomyces sp. A012304株からアラレマイシンの標的酵素ポルフォビリノーゲンシンターゼ(PBGS)をコードするhemB遺伝子をクローン化した。コリネ型細菌Corynebacterium glutamicumを宿主として生産菌PBGSの過剰発現と精製に成功した。アラレマイシンに感受性であることが知られているPsudomonas属細菌のPBGSと生産菌PBGSの酵素学的性質の比較を行った。その結果、生産菌PBGSはPsudomonas属細菌PBGSと比べてVmaxおよびKmが約1/2であり、アラレマイシンに対して約10倍耐性であることが明らかとなった。アラレマイシン生産菌Streptomyces sp. A012304株のゲノム解析を行い、5-アミノレブリン酸合成酵素のホモログが2つ存在することが明らかとなった。ひとつは細菌型のhemA遺伝子で、もうひとつは動物型のALAS遺伝子である。大腸菌の5-アミノレブリン酸要求性変異株の相補性試験から、hemAホモログが5-アミノレブリン酸の生合成を行っており、ALASホモログは5-アミノレブリン酸以外の物質の合成を行っていることが示唆された。ALAS近傍にはアミノトランスフェラーゼ、オキシドレダクターゼ、トランスポーターをコードすると思われる遺伝子があり、アラレマイシンと5-アミノレブリン酸の構造の差異を考えるとこれらがアラレマイシン生合成に関与していると思われた。そこでこれらの遺伝子を大腸菌で異種発現させたところ、アラレマイシンの生産が確認された。これより、ALASホモログを含むこれらの遺伝子群がアラレマイシン生合成に関与することが明らかとなった。
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