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2013 年度 実施状況報告書

食品抗酸化成分の生体内ナノデリバリーシステム研究

研究課題

研究課題/領域番号 25660094
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東北大学

研究代表者

宮澤 陽夫  東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20157639)

研究分担者 仲川 清隆  東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80361145)
木村 ふみ子  東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50321980)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードナノデリバリーシステム / ナノ粒子 / 食品成分 / 抗酸化物質 / 動物実験
研究概要

本研究は脂溶性抗酸化物のナノ粒子化とその生体内動態の解明を目的としている。
本年度は、ナノ粒子に封入する脂溶性抗酸化分子として、ナノ粒子化に関する先行研究例が多いクルクミンを用いた。経口摂取したクルクミンのほとんどが生体内で代謝を受け、クルクミングルクロン酸抱合体に変換されることが知られている。しかし、ナノ粒子化がクルクミンの生体内で代謝転換などに与える影響は不明であるため、本研究では、ナノ粒子化クルクミンの調製技術を開発するとともに、肝臓の代謝酵素の影響についてクルクミンとナノ粒子化クルクミンの比較を行った。
投与時の代謝調製Tween-80 や非イオン性界面活性剤(ポリビニルアルコール,PVA)を含む水溶液に、PLGA と脂溶性抗酸化分子を含むジクロロメタン溶液を添加・撹拌し、スクロース存在下で凍結乾燥することでナノ粒子を得た。系に存在するジクロロメタンはロータリーエバポレーターによって完全に除去した。得られたナノ粒子のクルクミン封入効率は作成条件で異なるが、約10~20%であった。ナノ粒子化クルクミンの代謝抵抗性を評価するために、in vitroでクルクミンとナノ粒子化クルクミンをそれぞれ10%ラット肝臓ホモジネートと反応させ、グルクロン酸、UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼの影響を調べた。その結果、抱合を免れて残った未抱合クルクミンの量は、ナノ粒子化クルクミンの方がクルクミンより有意に多かったため、ナノ粒子化クルクミンは代謝抵抗性が高いことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の目標は脂溶性抗酸化分子のナノ粒子化技術の開発であり、脂溶性抗酸化分子として、クルクミンのナノ粒子化をおこなった。作成条件を変えることで、異なる性質のクルクミンナノ粒子を得ることに成功し、動物への投与試験の条件は整った。よって研究は順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

H25年度はクルクミンのナノ粒子化に成功し、ラット肝臓ホモジネート使った試験では、ナノ粒子化クルクミンは代謝抵抗性が高いことが示された。
そこで、ナノ粒子化クルクミンの生物学的利用能を明らかにするために、ラットへの投与試験を行う。すなわち、クルクミンとナノ粒子化クルクミンをラットに経口投与で与え、一定時間後に解剖し、血漿および各種臓器へのクルクミンおよびクルクミン抱合体の分布を調べる。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は年度末の納品が間に合わないため発生した。
年度末の納品が間に合わなかった物品の購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Comparison of the effects of curcumin and curcumin glucuronide in human hepatocellular carcinoma HepG2 cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Shoji, M., Nakagawa, K., Watanabe, A., Tsuduki, T., Yamada, T., Kuwahara, S., Kimura, F., Miyazawa T.,
    • 雑誌名

      Food Chem

      巻: 151 ページ: 126-132

    • DOI

      10.1016/j.foodchem.2013.11.021.

    • 査読あり
  • [学会発表] クルクミン封入ナノ粒子の調製と生物学的利用能向上2014

    • 著者名/発表者名
      張替 敬裕, 宮澤 大樹, 庄司 求, 仲川 清隆, 藤井 智幸, 宮澤 陽夫
    • 学会等名
      日本農芸化学会平成26年度大会
    • 発表場所
      川崎市
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] クルクミングルクロン酸抱合体の生理活性とクルクミンナノ粒子作製2013

    • 著者名/発表者名
      張替 敬裕, 宮澤 大樹, 庄司 求, 仲川 清隆, 藤井 智幸, 宮澤 陽夫
    • 学会等名
      日本農芸化学会東北支部第148回大会
    • 発表場所
      盛岡市
    • 年月日
      20131026-20131026
  • [学会発表] ルテイン封入ナノ粒子の脳への送達研究2013

    • 著者名/発表者名
      宮澤 大樹, 仲川 清隆, 木村 ふみ子, 藤井 智幸, 宮澤 陽夫
    • 学会等名
      第47回日本栄養・食糧学会東北支部大会
    • 発表場所
      秋田市
    • 年月日
      20131005-20131005

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公開日: 2015-05-28  

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