我々はこれまでに米粉生地の粘弾性の制御によって、小麦を用いずに米粉100 %で製パンが可能であることを示してきた。本研究課題は米粉の主成分である澱粉に着目し、製パン性に優れた分子構造を提案することを目的としたものである。イオン液体を溶媒とした澱粉溶液を調製し、澱粉の分子構造とレオロジー特性との相関を明らかにした。また、分子シミュレーションにより澱粉分子のミクロな挙動の解明を試みた。その結果、アミロペクチンのみで構成される「もち種」よりもアミロースを含む「うるち種」から構成される米粉生地の方が製パン性に優れるという結論を示すことができた。
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