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2014 年度 実施状況報告書

ポリフェノールの媒介する新規コレステロール代謝調節系の分子レベルでの解明と応用

研究課題

研究課題/領域番号 25660100
研究機関岐阜大学

研究代表者

長岡 利  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50202221)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードポリフェノール / EGCG / カテキン / 低密度リポタンパク質受容体 / アネキシンA2 / PCSK9
研究実績の概要

高い血漿低密度リポタンパク質(LDL)レベルは動脈硬化症等のリスクを増大させることが知られている。LDLレベルは主に肝臓で発現しているLDL受容体(LDLR)により調節されている。そして近年、LDLRタンパク質の分解を促進する因子として Proprotein convertase subtilisin/kexin type 9 (PCSK9)が発見され、血漿LDLレベルに影響を与える新たな因子として注目を集めている。我々は、茶に含まれる主要なポリフェノールであるEpigallocatechin gallate (EGCG)がヒト培養肝臓細胞HepG2において、LDLR mRNAレベルを増加させることを報告した(Br. J. Nutr. 107, 769-773 (2012))が、その作用メカニズムは未だ不明な点が多く、PCSK9に対するEGCGの作用も報告されていない。そこで、本研究ではEGCGによるLDLR mRNAレベル上昇作用の機構解明及びPCSK9に対するEGCGの影響について、HepG2細胞を用いて解析することを目的とした。さらに、近年の報告でPCSK9によるLDLRの分解を阻害するとされているAnnexin A2 (ANXA2)とEGCGの作用との関連も解析し、EGCGによるLDLR活性化機構の解明を目指した。
研究の結果、EGCGはLDLRレベルの上昇及び培地中PCSK9レベルの低下を同時に誘導することを発見した。また、EGCGは培地中ANXA2レベルを有意に低下させることを明らかにした。さらに、EGCGによるLDLR上昇作用や培地中PCSK9低下作用は、ANXA2非依存的な様式で引き起こされることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究から、以下のような、新規の興味深い現象を発見したため、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
(1)Epigallocatechin gallate(EGCG)は低密度リポタンパク質受容体(LDLR)レベルの上昇及び培地中 Proprotein convertase subtilisin/kexin type 9(PCSK9)レベルの低下を同時に誘導することを発見した。
(2)EGCGは培地中Annexin A2(ANXA2)レベルを有意に低下させることを明らかにした。
(3)EGCGによるLDLR上昇作用や培地中PCSK9低下作用は、ANXA2非依存的な様式で引き起こされることを明らかにした。
(4)LDLRの発現にANXA2が関与することを発見した。

今後の研究の推進方策

研究遂行で、EGCGによるLDLR上昇作用や培地中PCSK9低下作用は、Annexin A2(ANXA2)非依存的な様式で引き起こされることを明らかにした。よって、PCSK9の低下の要因はANXA2以外の分子に起因しているので、この原因分子の特定を推進する方針である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] エピガロカテキンガレートはAnnexin A2非依存的にLDL受容体の増加及びPCSK9の低下を誘導する2015

    • 著者名/発表者名
      北村幸平, 三島周平, 岡田雄大, 島田昌也, 長岡利
    • 学会等名
      日本農芸化学会2015年度大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2015-03-27
  • [学会発表] Epigallocatechin gallate and quercetin induce a suppression of PCSK9 accompanying with an up-regulation of LDL receptor in HepG2 cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Nagaoka, S., Kitamura, K., Mishima, S. and Shimada, M.
    • 学会等名
      The 27th International Conference on Polyphenols
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2014-09-02
  • [学会発表] Epigallocatechin gallateはPCSK9低下を伴ってLDL受容体を活性化する2014

    • 著者名/発表者名
      北村幸平, 三島周平, 岡田雄大, 島田昌也, 長岡利
    • 学会等名
      第8回日本ポリフェノール学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-08-08

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公開日: 2016-05-27  

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