昨年度に続き,タケ類にタンパク質を直接導入するための大量生産をおこなった。昨年度ではチュウゴクザサの開花関連遺伝子であるFT(SvFT1)のコーディング領域を発現ベクターであるpGEX-4Tベクターに組み込んだものを大腸菌に導入しタンパク質の回収をおこなったが,FTタンパク質とタグタンパク質との切断ができなかったため,ベクターをpGEX-6Pに変更し再びコンストラクトを作り直した。 大腸菌の培養は1LのLB-培地に植菌し,18℃終夜培養した。培養後,集菌ののち酵素処理によって溶菌し,上澄からタンパク質を回収した。TurboH3C酵素によってタグタンパクを切断し,SvFT1タンパク質が1Lの培養で280μg得られた。 クマザサを用いてタンパク質の導入実験をおこなった。まず,稈の部分にメスで切れ込みを入れ,細い注射針を刺し,固定した。PBS液200μLにSvFT1タンパク質約70μgを溶解し,注射針から導入した(最終濃度約17μM)。しかし,注射針を刺したクマザサの稈から壊死がおこってしまった。
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