研究課題/領域番号 |
25660125
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
名波 哲 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70326247)
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研究分担者 |
伊東 明 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40274344)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 雌雄異株 / 性判別 / DNAマーカー |
研究概要 |
雌雄の花が別々の個体につく雌雄異株植物は、個体レベルで性機能を分業している。これまで、多くの雌雄異株植物において、様々な性差があることが明らかになっているが、性差が雌雄異株植物の一生のどの段階で現れるのかについては、ほとんど分かっていない。繁殖コストの性差が原因であれば、成長量等の性差は、開花サイズに達してから現れると予想される。しかし、稚樹段階から性差が検出された例もあり、未知の点が多い。本研究では、 雌雄異株植物の性判別のためのDNAマーカーを開発し、 野外個体群において、植物の性差が生じる生活史段階や原因を明らかにすることを目的とした。 オスに偏った性比や雌雄間の空間分布の分離という、興味深い現象が報告されているナギ(Podocarrpus nagi)、サイズが小さい段階では性比はオスに偏るが、成長した段階では性は1:1で、ナギとは対照的であるイヌガシ(Neolitsea aciculata)、メスに偏った性比が多く報告されており、また河畔林の主要構成種で流域管理上重要な分類群に属するアカメヤナギ(Salix chaenomeloides)、ギンナン生産にはメスが、公園や街路に植栽木としては主にオスが用いられ、稚樹段階での性判定は農業・園芸上重要であるイチョウ(Ginkgo biloba)、花外蜜腺をによりアリを誘因し、アリとの共生関係の雌雄差が検出されるかもしれないアカメガシワ(Mallotus japonicus)、以上の5種について雌雄6本ずつ、計12本の葉からCTAB法によりDNAを抽出し、また市販のキットを用いて精製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的とした種からDNAサンプルを得た。今後の分析方法の目途がついている。
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今後の研究の推進方策 |
次世代シーケンサーを使って、ゲノム情報がない植物であっても比較的安価に大量のDNAの配列情報を得て、個体間で比較する。
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次年度の研究費の使用計画 |
DNA解析技術は日進月歩である。本研究の目的を遂行するためにRADシーケンシングを外注文する予定であるが、当初の計画よりもより安価で、かつ大量のデータが得られる外注先が見つかった。具体的な段取りを議論する中で、より確実に目的を達成するためには、次年度に外注することが有効と判断した。 RADシーケンシングの外注費として使用する。
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