• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

セルラーゼ表層環境の人為的改変による高性能糖化酵素の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25660139
研究機関京都大学

研究代表者

渡邊 隆司  京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80201200)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2014-03-31
キーワードバイオマス / セルラーゼ / リグニン / バイオリファイナリー
研究概要

化石原料の枯渇や地球温暖化問題を背景として、石油リファイナリーから、セルロース系バイオリファイナリーへの変革が世界的に希求されている。バイオマス中のセルロースの糖化では、セルラーゼの投入量を極力減らすことがプロセスのコスト競争力を高めるために必須である。セルラーゼの反応性を高めるため、セルラーゼの触媒活性の増強や糖化のための酵素カクテルの最適化が活発に研究されてきた。しかしながら、実バイオマス糖化では、共存するリグニンがセルラーゼに吸着して酵素の失活を起すことが酵素使用量の低減を阻む大きな要因となっている。それにもかかわらず、セルラーゼのリグニンへの吸着機構はほとんど解明されていない。真核生物で発現したセルラーゼには多くの糖鎖が結合しており、これらの糖鎖はリグニンへの吸着に影響を及ぼしていると考えられるが、これらの点も未解明である。本研究では、セルラーゼの表層環境を人為的に改変し、リグニンへの非生産的吸着を抑制したスーパー糖化酵素開発のための新戦略を打ち立てることを目的とした。本研究では、Trichoderma reesei由来の3つのエンドグルカナーゼ(EG1, EG2, EG3)に着目し、それらの組換え酵素に対する可溶性低分子リグニンや糖過分解物の活性阻害効果を比較した。EG1とEG2は、糖質結合モジュール(CBM)をもつため、CBMを欠損した組換えタンパクも調製し、これらのタンパクとリグニンとの親和性を水晶振動子マイクロバランス(QCM)を用いて解析した。また、表層環境改変のため、糖鎖をグリコシダーゼで切断し、その影響を評価した。発現させた5種類の組換え酵素はすべて活性型として精製することに成功した。CBM1を欠損させると、EG2はリグニン親和性が大きく低下するが、EG1はその影響が小さいことを明らかにした。また、糖鎖切断による、親和性への影響も明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ESI-FT-ICR MSによるリグノセルロース骨格構造モデルとセルラーゼとの複合体形成解析2013

    • 著者名/発表者名
      吉岡 康一, 高田 理江, 渡辺 隆司
    • 学会等名
      第58回リグニン討論会
    • 発表場所
      高松市、サンポートホール高松
    • 年月日
      20131112-20131113
  • [学会発表] リグノセルロース系バイオマスからのバイオ燃料・機能化学品生産のための成分分離のデザイン2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺隆司
    • 学会等名
      第65回日本生物工学会大会、生物工学シンポジウム、デザインドバイオマス学とスマート発酵工学:植物育種研究と発酵工学研究のコラボレーション
    • 発表場所
      広島市、広島国際会議場
    • 年月日
      20130919-20130919
    • 招待講演
  • [学会発表] FT-ICR MSによるセルラーゼのリグノセルロース骨格構造モデルとの複合体形成解析2013

    • 著者名/発表者名
      吉岡康一、高田理江、水野里江、渡辺隆司
    • 学会等名
      第27回セルラーゼ研究会
    • 発表場所
      茨城県稲敷郡美浦村、花王(株)霞ヶ浦研修所
    • 年月日
      20130712-20130713
  • [学会発表] 持続的社会の構築を目指したバイオマスのバイオ燃料・機能性物質への変換2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺隆司
    • 学会等名
      東京電機大学総合研究所─新分野開拓研究─ 第1回シンポジウム 「地域に密着したスマートエネルギーへの取組」
    • 発表場所
      東京都、東京電機大学
    • 年月日
      20130629-20130629
    • 招待講演
  • [図書] Lignocellulose Conversion Enzymatic and microbial tools for bioethanol production2013

    • 著者名/発表者名
      Takashi Watanabe
    • 総ページ数
      199
    • 出版者
      Springer
  • [備考] バイオリファイナリーのためのバイオマスの精密構造解析、酵素との相互作用解析

    • URL

      http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/W/LBC/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi