本研究の目的は、深海底熱水活動域に見られる特異な『細胞外共生微生物とそのホスト生物』の相互作用を、網羅的に分子レベルで解明することにある。水深1000mを超える深海底から複数の細胞外共生生物(主に甲殻類、それらは主に硫黄酸化能を持つイプシロンプロテオバクテリア(ピロリ菌の祖先的性質を有する)およびガンマプロテオバクテリアに属する外部共生微生物を腹部剛毛に有する)を採取し、様々な環境条件下における代謝活性を遺伝子および代謝物質レベルで解析することに成功した。さらに、それらを内部共生および病原性近縁種-ホスト生物間の相互作用と比較検証している。
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