研究課題
経済発展が急速に進むメコン流域では数多くの発電用ダム開発が計画されている。一方、熱帯に建設されるダム貯水池の底泥環境の生成メカニズムやその栄養塩循環能については不明な点が多い。そこで、本研究ではメコン流域を対象に、熱帯ダム貯水池における底泥環境の、1) 生成・堆積プロセスの解明と、2) リンなどの栄養塩循環の反応場としての機能評価を行うことを目的とした。自然湖沼のトンレサップ、タイとラオスのダム貯水池数カ所の底泥調査を行った結果、底泥中のリンの蓄積には、粘土含量、鉄酸化物量の寄与、および湖岸付近で生産される有機態リンの拡散と湖心付近での無機化が重要なプロセスであることが推察された。また、湖岸において底泥中のリンの無機態割合が高くなる地点があり、それらは生活排水や農地からの肥料成分の流出など、人間活動との密接な関係が推察された。
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