2013年3月に三陸沿岸を襲った大津波による河川環境のかく乱が、サケの母川回帰に与える影響を2013および2014年度の11から12月にかけて調べた。岩手県大槌湾の湾奥で捕獲されたサケに発信器を装着して放流し、湾奥に設置した受信器で追跡した。その結果、大槌湾奥に入ってきたサケは4つの行動パターンを示した。すなわち、①短時間でスムーズに川に遡上する個体、②河川を複数回探索した後に川に遡上する個体、③放流後すぐに湾外へ移動する個体、④河川探索後に湾外へ移動する個体、であった。④のタイプは2個体のみであったがいづれも震災年に降海した4年魚であった。
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